Proxmox VE を 7.0 にアップグレードした

Date: 2021/07/18
Tags: Proxmox

Proxmox VE 7.0 がリリースされていた。 公式にアップグレードの手順が用意されているため、それを参考に自宅の Proxmox VE 6.4 のアップグレードを実施した。

参考

アップグレードの手順

リリースノート

注意

実施した環境

手順

基本的に root ユーザで実施すること。クラスタを組んでいる場合は1台ずつ更新を実施する。

Proxmox 6.4 の最新バージョンまでアップグレード

apt dist-upgrade で 6.4系の最新バージョン(6.4-15)までアップグレードする。

apt update
apt dist-upgrade

Proxmox 7.0 にアップグレード可能か確認する

pve6to7 コマンドでProxmox 6系から7.0系にアップグレード可能か確認できる。
念の為全項目でチェックを実施した。

pve6to7 --full

コマンドを実施すると、以下のようにテストした項目の結果が出力される。各行の先頭に PASS: all packages uptodate のようにテスト結果とその内容が出力されるため、WARN:FAIL: となっている項目をチェックして対応する。

root@test01:~# pve6to7 --full
= CHECKING VERSION INFORMATION FOR PVE PACKAGES =

Checking for package updates..
PASS: all packages uptodate

Checking proxmox-ve package version..
PASS: proxmox-ve package has version >= 6.4-1

...

最後にはテストのサマリが出力される。コマンドを実行した結果、WARNが1項目だった。

= SUMMARY =

TOTAL:    24
PASSED:   21
SKIPPED:  2
WARNINGS: 1
FAILURES: 0

ATTENTION: Please check the output for detailed information!

内容を確認すると、ゲストVMが動作しているので、migrateするかstopしたほうが良いという内容だった。自分の環境では常時稼働する必要はないため、停止しておく。

WARN: 1 running guest(s) detected - consider migrating or stopping them.

Linux Network Bridge (vmbr0) のMACアドレスの固定化

Proxmox VE 7.0 は Debian 11 (Bullseye) がベースとなっている。それにより、Linux Bridge のMACアドレスの設定方法が変更される。

Linux Bridge MAC-Address Change

それにより、Bridge (vmbr0) の MACアドレスが変更されてしまうため、MACアドレスを固定化する。

まず、bridge である vmbr0 に設定されている MACアドレスを確認する。 ( -c オプションで出力に色がつくため、macアドレスがわかりやすくなる。初めて知った)

root@test01:~# ip -c link show vmbr0
4: vmbr0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UP mode DEFAULT group default qlen 1000
    link/ether aa:bb:cc:12:34:56 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff

/etc/networks/interfaces を編集し、hwaddressの行を追加することでmacアドレスを固定化する。

auto vmbr0
iface vmbr0 inet static
    address 192.168.X.Y/24
    hwaddress aa:bb:cc:12:34:56

APT リポジトリの設定を変更

Proxmox VE 7.0 へのアップデートで Debian 11(Bullseye) にアップデートされるため、リポジトリの参照先を Bullseye のものへアップデートする。

Debian 11から、セキュリティアップデートのリポジトリの参照先が変更されているため注意する。

以下のコマンドで置換した。

sed -i 's/buster\/updates/bullseye-security/g;s/buster/bullseye/g' /etc/apt/sources.list

Proxmox のリポジトリも同様に変更されているため、buster から bullseye に置換する。 (pve-install-pepo.list は、自分がリポジトリを設定しているファイルを指定する)

sed -i -e 's/buster/bullseye/g' /etc/apt/sources.list.d/pve-install-repo.list

Proxmox VE 7.0 へアップグレード

リポジトリの参照先を変更したため、apt でアップグレードを実施する。

apt update
apt dist-upgrade

以下のログが出力され、最終確認が出るため、やり忘れていることがないか確認する。 問題なければ Enter で進み、中断したい場合は Ctrl+C を押下する。

W: (pve-apt-hook) !! ATTENTION !!
W: (pve-apt-hook) You are attempting to upgrade from proxmox-ve '6.4-1' to proxmox-ve '7.0-2'. Please make sure to read the Upgrade notes at
W: (pve-apt-hook)       https://pve.proxmox.com/wiki/Upgrade_from_6.x_to_7.0
W: (pve-apt-hook) before proceeding with this operation.
W: (pve-apt-hook)
W: (pve-apt-hook) Press enter to continue, or C^c to abort.

以降、パッケージ更新時に発生するファイル変更にの確認が対話式で発生するため、内容を確認して入力していく。すべてのパッケージの更新が完了すれば Proxmox VE 7.0 への更新は完了となる。

確認

Proxmox VE 7.0 へ無事更新されていることを確認。

root@test01:~# pveversion
pve-manager/7.0-10/d2f465d3 (running kernel: 5.11.22-2-pve)

今回のバージョンから enterprise repository の設定の有無が確認されるようになった模様。

Proxmox 7 の WebUI